主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
序論
近年,健康増進に対する「価値」が重要視されるようになり,価値のエクササイズが数多く報告されている。しかし,必ずしもそれらの効果は検証されていない。本研究では「価値と活動のカード」エクササイズを取り上げ,価値や関連する要因に与える効果を検討する。
方法
参加者:大学生28名(男性17名,女性11名)。
尺度:(1)日本語版Value Questionnaire(以下VQ;土井他,2017),(2)日本語版BADS-SF(山本他,2015),(3)心理的ウェルビーイング尺度短縮版(以下PWBS;岩野他,2015),(4)うつ病自己評価尺度(以下CES-D;島他,1985)
手続き:無作為に割り当てた実験群(16名)・統制群(12名)に尺度を実施し,その後実験群のみ集団形式で「価値と活動のカード」エクササイズを実施した。1週間後に両群とも同じ尺度を測定した。
結果と考察
分析の結果,実験群のみVQ「障害」得点(p<.001)の減少,PWBS下位尺度「積極的他者関係」得点(p<.05)の増加,PWBS下位尺度「自律性」得点の増加傾向が認められた(p<.10)。よって,エクササイズによる価値の変化が認められるとともに,心理的ウェルビーイングの要素である友人関係の向上,自律性の高まりの可能性が示された。