日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PR-022
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18. スポーツ・健康
価値と活動のカード・エクササイズが心理的要因に与える効果の検討
*首藤 祐介
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抄録

序論

近年,健康増進に対する「価値」が重要視されるようになり,価値のエクササイズが数多く報告されている。しかし,必ずしもそれらの効果は検証されていない。本研究では「価値と活動のカード」エクササイズを取り上げ,価値や関連する要因に与える効果を検討する。

方法

参加者:大学生28名(男性17名,女性11名)。

尺度:(1)日本語版Value Questionnaire(以下VQ;土井他,2017),(2)日本語版BADS-SF(山本他,2015),(3)心理的ウェルビーイング尺度短縮版(以下PWBS;岩野他,2015),(4)うつ病自己評価尺度(以下CES-D;島他,1985)

手続き:無作為に割り当てた実験群(16名)・統制群(12名)に尺度を実施し,その後実験群のみ集団形式で「価値と活動のカード」エクササイズを実施した。1週間後に両群とも同じ尺度を測定した。

結果と考察

分析の結果,実験群のみVQ「障害」得点(p<.001)の減少,PWBS下位尺度「積極的他者関係」得点(p<.05)の増加,PWBS下位尺度「自律性」得点の増加傾向が認められた(p<.10)。よって,エクササイズによる価値の変化が認められるとともに,心理的ウェルビーイングの要素である友人関係の向上,自律性の高まりの可能性が示された。

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© 2020 公益社団法人 日本心理学会
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