日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PS-003
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19. ジェンダー
高校生対象の暴力防止プログラムの効果―アクティブラーニングを用いて―
*松並 知子赤澤 淳子井ノ崎 敦子上野 淳子下村 淳子
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抄録

デートDVなどの暴力を防止するためには,効果的なプログラムの開発が必須である。そのため,本研究では予防プログラムの効果検証を行う。高校生77名(女性39名,男性38名)を対象に,グループワークやロールプレイなどのアクティブラーニングを用いた80分のプログラムを実施した。またその前後に効果検証のためのアンケートを実施した。社会的望ましさ得点(北村・鈴木,1986)が18点未満で,欠損値のない61名を対象に分析した結果,暴力観に関しては,事前より事後の方が有意に「暴力にあたる」という認識が高まっていた。一方,共感性プロセス尺度(葉山・植村・萩原,2008)の他者感情への敏感性と視点取得,青年用アサーション尺度(玉瀬・越智・才能・石川,2001)の説得交渉には変化は見られず,アサーション尺度の関係形成は有意に下がっていた。本研究でも,先行研究(赤澤・井ノ崎・上野,2019など)同様,暴力に関する知識を得ることで,暴力に対する認識は高まることが示された。しかし,アサーショントレーニングなどを行うことで,自己主張を控える傾向が強まることが示唆された。今後はプログラムの内容を検討し,時間や回数を増やすことが必要である。

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© 2020 公益社団法人 日本心理学会
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