日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: L-007
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小講演
やり取りを前提とした文章の好ましさの解明公的な電子メールを対象とした検討
菊池 理紗福田 由紀
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抄録

これまでの文章産出では,読み手がその文章を読めば完結する一方向的な文章を対象に研究が主に行われてきた。しかし,日常生活の中で,私たちは他者と文章を用いてやり取りを行なっており,情報化社会が進展した現在では,その頻度や重要性が高まっている。よって,文章産出研究の分野においても,文章を用いたやり取りに関する実証的研究がなされ,その知見が蓄積されることが望まれる。それにより,文章産出研究の対象が広がり,その知見を応用する機会も高まるであろう。本講演では,他者との書き言葉によるコミュニケーションを「やり取りを前提とした文章」と定義し,産出される文章の好ましさの解明を目的とした複数の実証的研究を紹介する。具体的には,読み手と書き手の双方の立場における文章の好ましさの要因を特定し,書き手に提示する情報の種類が産出される文章に与える影響について検討した研究群である。なお,本研究の対象は,公私共に利用できるメールの文章とし,書き手に言語表現に対する熟考を促すため,場面は公的なものに限定している。これらの研究を踏まえ,やり取りを前提とした文章産出における好ましさに関して,総合的な見地から考察する。

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