日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PB-001
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2.人格
日本語版多次元曖昧性への態度尺度(MAAS-J)の開発と妥当性の検討
*櫃割 仁平野村 理朗
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抄録

COVID-19パンデミックが示すように,私たちは不確実性と曖昧さの時代を生きている。本研究では,従来の曖昧性に関するパーソナリティ特性尺度の課題とされてきた再現性を改善したMultidimensional Attitude toward Ambiguity Scale(MAAS)(Lauriola et al., 2016)の日本語版を開発した。これは,曖昧さへの不快感,道徳的絶対主義/分裂,複雑性・新規性希求という3つの下位尺度を評価するものである。原著者の許諾を得て,かつ逆翻訳により作成したMAAS-Jを検証するために,347名の参加者(女性147名,男性200名,M=39.07,SD=10.58)に,のオンラインでの回答をもとめた。結果,日本語版は,内部一貫性,再検査信頼性,構成概念妥当性が十分あるいは良好であることが明らかになった。また,曖昧性に対する態度といくつかの尺度との間に相関や,日本人と原版で調査対象とされたイタリア人のスコアの間に差があることが新たに分かった。当MAAS-Jが,日本国内で活用されるとともに,内外での異文化比較研究に積極的に活用されることが期待される。

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