日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PB-002
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2.人格
自己志向的完全主義と援助要請スタイルおよび心理的ストレス反応との関連
*大下 眞穂細越 寛樹
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抄録

援助要請スタイルを媒介変数または調整変数と仮定し,自己志向的完全主義(SOP)が心理的ストレス反応に及ぼす影響を検討した。229名を対象に質問紙調査を行い,多次元自己志向的完全主義尺度(MSPS),援助要請スタイル尺度,心理的ストレス反応尺度(SRS-18)への回答を求めた。共分散構造分析の結果,MSPSのPS,CM,Dは援助要請スタイルを介して心理的ストレス反応を促進,抑制することが示され,援助要請スタイルの媒介効果が明らかになった。しかし,援助要請スタイルを介さない直接的影響もみられた。クラスタ分析で得られたSOPの4クラスタと援助要請スタイルの3クラスタを独立変数,SRS-18の下位尺度得点を従属変数に二要因分散分析を行った。交互作用は非有意で,援助要請スタイルの調整効果は示されなかった。主効果は,SOPは全従属変数で有意,援助要請スタイルは抑うつ・不安で有意だった。多重比較の結果から,PSの心理的ストレス反応への影響はSOPのバランスに左右され,CMとDは単独で精神的不健康の要因になること,十分な自助努力が伴わない援助要請は抑うつ・不安を悪化させることが示唆された。

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