主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
我々は同じだけの時間を過ごしていても,時に時間を長く感じたり短く感じたりすることがある。そのような時間に対する主観的な感覚は主観的時間と呼ばれ,従事している課題や感情状態,うつ病などの精神疾患など様々な要因に影響されることが分かっている。本研究では,決定場面において時間を必要とする優柔不断と時間認知についての関連を検討した。実験参加者(大学生20名)は,直前に行った課題の遂行時間を回答する時間見積もり課題と時間再現課題を行った。時間見積もり課題では遂行時間をVASで回答させ,時間再現課題では直前の課題と同じ時間が経過したら反応する課題であった。2つの課題の時間は4種類(12 s/14 s/16 s/18 s)あり,それぞれ2回ずつ計8試行行った。2つの課題終了後に優柔不断尺度に回答した。時間認知と優柔不断尺度との相関を検討した結果,時間見積もり課題では優柔不断尺度の下位因子である熟慮と課題の推測時間に正の相関が認められた。一方で時間再現課題では,尺度と推測時間に関連は認められなかった。このことから,優柔不断な人は遂行時間を言語報告する場合,実際の時間より長いと回答することが明らかになった。