日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PC-011
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3.社会・文化
位置情報ゲームのPOI(Point of Interest)密度と地域居住者の社会心理諸指標の関連
*三浦 麻子小森 政嗣
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抄録

社会心理学において,居住環境に存在する社会資本や文化資本の充実度は人の行動に影響する状況要因のひとつとして重要視されてしかるべきであるが,それをどのように測定するかは悩ましい問題である。本研究では,これらの指標として位置情報ゲームのPOI(Point of Interest)情報を用いるのが妥当かどうかを計算社会科学的なアプローチで検討した。具体的には,ある地域で位置情報ゲーム「ポケモンGO」のPOI「ポケストップ」がどの程度設置されているかを,その所在地の緯度経度情報に基づいて算出した密度で指標化し,これと当該地域の市民を対象とした社会調査で得られる主観的評価との関連を求めた。2020年度大会では大阪府を対象としたWeb調査データを用いた分析結果を報告したが,今回は兵庫県赤穂市を対象とした郵送調査のデータを用い,回答者の現住所を用いることでより空間解像度を高めて検討した。大阪府データの分析では居住環境に対する満足度との間に有意な相関が認められたが,同様の結果は再現されず,主観的指標との相関は見いだされなかった。

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