主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
本研究は,コミュニケーション場面において男性と女性のどちらの外見のロボットを選好するか,また,そこに平等主義的性役割態度が関連しているか明らかにすることを目的とした。調査対象は成人男女1000名(男性500名,女性500名)であり,web調査にて倫理的配慮をおこない実施した。コミュニケーション場面は,鈴木他(2019)で用いた場面から抽出して用いた。それぞれの場面において,同性と異性のどちらに対応して欲しいか「同性タイプのロボットに対応してほしい」「どちらもでもかまわない」「異性タイプのロボットに対応してほしい」の選択肢から回答を求めた。また,平等主義的役割態度スケール短縮版(SESRA-S;鈴木,1994)への回答を求めた。分析の結果,特にロボットのジェンダーをを選好しない人はどちらかのジェンダーを選好する人よりもジェンダー平等志向が高いことが示された。このことから,そもそもジェンダーバイアスが低い人はロボットに対してもジェンダーバイアスを持ちにくく,ロボットの側を特定のジェンダーにしてもそれが偏見を増長させることはない可能性が示唆された。