主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
本研究の目的は,前向き調査によって,恋愛関係崩壊後のストーカー的行為(ST行為)と関連する恋人や他者との関係性の要因を明らかにすることであった。恋人のいる10~30代の6182名に1年間の縦断調査(計4回)を実施し,調査期間中に恋人から別れを告げられたと回答した男性152名,女性145名を分析対象とした。第一波では,交際期間,交際時の関係性,関係満足度,援助要請スタイル,知人との付き合いの頻度,心理的暴力被害・加害,身体的暴力・加害等に回答を求めた。また,恋人と別れた後にST行為への回答を求めた。第一波の各変数とST行為との間に,別れを報告した調査時期を統制した偏相関分析を行った。その結果,男女とも,ST行為は援助要請自立型得点と有意な負の相関(r=−.16, p<.05;r=−.29, p<.001)を,心理的暴力加害(r=.22, p<.01; r=.27, p<.001)と正の相関を示した。また,男性では唯一性と心理的暴力被害(r=.26, p<.01; r=.20, p<.05)と,女性では身体的暴力被害(r=.21, p<.01)と正の相関を示した。