日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PC-030
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3.社会・文化
ウェブ実験によるお辞儀効果の再現性の検証
*大杉 尚之河原 純一郎
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キーワード: お辞儀, 魅力, ウェブ実験
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抄録

日本において,「お辞儀」が第一印象に影響することは,学校教育や入社後の新人研修セミナーで特集を組まれるなど一般的に信じられている。この傾向はお辞儀に関する実験的研究でも示されており,お辞儀により顔の魅力が上昇することが明らかとなっている。しかし,これまでの研究では,大学生を対象とし,実験室で個別に実験が行われたため,結果の普遍性や再現性の観点で制限がある。そこで本研究では,日本人参加者を対象にウェブでのお辞儀効果の再現実験を行った(山形大学と北海道大学の大学生:N=37, N=30,クラウドワーカー:N=181)。コンピュータグラフィック(CG)の人物モデルにお辞儀をさせ,動作後にその人物の魅力を評定させた。停止時間ありのお辞儀,なしのお辞儀,静止(統制)条件を比較した結果,静止条件に比べてお辞儀条件の魅力が高くなること,停止時間が長いお辞儀が短いお辞儀よりも魅力が高くなることが再現された。すなわち,ウェブ実験により,幅広い属性の日本人参加者が,日常に近いノイズが多い環境で実施した場合でもお辞儀が魅力を上昇させることが明らかとなった。

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