主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
問題と目的 本研究は,現代の日本社会における女性観が,女性の精神的健康にどのように影響するか検討することを目的とした。方法 女性 1,000 名(大学生300 名,20-40 代の社会人700 名)を対象にWeb調査を実施し,①女性観尺度短縮版(近藤ほか,2021),②一般性自己効力感尺度(坂野・東條,1986),③本来感尺度(伊藤・小玉,2005),④ハーディネス尺度(堀越・堀越,2008),⑤人生キャリア成熟度尺度(坂柳,1999)への回答を求めた。結果と考察 女性観尺度の6因子を独立変数,自己効力感,本来感,ハーディネス,人生キャリア成熟度を従属変数とした重回帰分析を行った結果,女性観のなかでも「社会の中でのチャレンジと成長」因子が,本来感(β=.23),ハーディネス(β=.23-.30),人生キャリア成熟度(β=.19-.30)に影響を与えることが示され,社会の中で積極的に活動して成長するといった女性観を抱いている女性ほど,本来の自分のまま振舞えている感覚が強く,チャレンジ精神が旺盛でコントロール感をもって物事に取り組む姿勢や自分の人生やキャリアに対して自律的・計画的である傾向が示唆された。