日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PC-039
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3.社会・文化
出産前後の関係性に対する妻と夫の認識の違い(2):共起ネットワーク分析を用いて
*加藤 陽子山下 倫実石田 有理布施 晴美
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抄録

本研究の目的は,理想の夫婦関係と産後の夫婦関係に対する妻と夫の認識差について,共起ネットワーク分析用いて探索的に検討することであった。調査は,第1子誕生後3年以内の男女(各100名)を対象に,2021年3月にWEBにて行われ,「理想の夫婦関係」「産前の夫婦関係」「産後の夫婦関係(変化した点/変化しなかった点)」について自由記述で回答を求めた。分析の結果,男女ともに理想の夫婦関係として「仲良し」「お互い」「子ども」「協力」などが抽出された。また,理想および変化がなかった産後の夫婦関係について共起した語は,夫が「夫婦」「仲良し」「友達」「家事」「関係」で,妻は「仲良し」「家事」「一緒」「分担」「穏やか」「ケンカ」であった。他方,理想および変化した産後の夫婦関係で共起した語は,夫が「家族」「子育て」であったのに対し,妻は「子ども」「協力」「生活」であった。さらに,理想および産後の夫婦関係(変化あり・変化なし)で共起した語は,夫が「お互い」の1語のみであったのに対し,妻は「お互い」「子ども」「関係」であった。以上から,産後の夫婦関係に対して妻と夫ではそのとらえ方が異なる可能性が示唆された。

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