日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PC-064
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3.社会・文化
低年齢の子どものインターネットに対する理解の発達的変化の検討(1)プログラミング,用語および情報伝播への理解の実態に関する人口統計上の違い
*鄭 姝松尾 由美田島 祥坂元 章
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抄録

本研究では,低年齢の子どものインターネットへの理解の実態を把握するために,2021年2月に3歳児(年少)クラス相当から小学校3年生までの子どもと同居し,養育に最もよく関わっている保護者を対象にウェブ調査を実施した。不適切な回答を除き,1894名(男性165名,女性1729名)のデータを有効回答として分析に用いた。6つの項目(動画のプログラミング,ゲームのプログラミング,プログラミング全体,インターネットという用語,オフラインとオンラインという用語,情報の広がり)に対する子どもの理解(知っている,知らない,判断できない)と学齢および性別との連関をカイ二乗分析で分析した結果,いずれも有意であった(χ2s=169.25~320.27, df=22, p<.001)。残差分析の結果からは,学齢が上がるにつれていずれの項目においても子どもは理解するようになる傾向が見られた。さらに,プログラミングについて,就学前では男女とも「判断できない」と回答した保護者が多かったが,その後は男子のほうが理解の早い傾向が見られた。しかし,このような性差は小学校3年生になるとみられなくなった。

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