日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PC-069
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3.社会・文化
都市居住者率と主観的幸福感の関連累積データによる日米比較検討
*浅野 良輔一言 英文伊藤 健一
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抄録

本研究の目的は,2つの累積データを用いて,北米および日本における都市居住者率と主観的幸福感の関連を検討することであった。研究1では,1972年から2018年に行われた総合的社会調査に回答した北米人60,054名,ならびに2000年から2012年に行われた日本版総合的社会調査に回答した日本人21,501名の主観的幸福感に関する設問を分析した。研究2では,第1回から第7回の世界価値観調査に回答した北米人12,923名,ならびに日本人9,248名の主観的幸福感に関する設問を分析した。両国の都市居住者率については,United Nations(2018)による報告を参照した。その結果,研究1と研究2に共通して,北米においては,都市居住者率が高い年ほど年平均の主観的幸福感が低かった一方で,日本においては,都市居住者率が高い年ほど年平均の主観的幸福感が高かった。この結果は回答者の性別や年齢を考慮しても頑健であった。本研究の知見は,北米の都市居住者は地方居住者よりも主観的幸福感が低いのに対して,日本の都市居住者は地方居住者よりも主観的幸福感が高いことを示唆している。

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