日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PC-074
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3.社会・文化
合理的配慮必要性認知尺度の作成因子構造および内的一貫性の検討
*鈴木 公基鈴木 みゆき
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抄録

我が国では「共生社会」の実現が目指されている。その実現の一環として合理的配慮(reasonable accomodation)が求められている。ただし,この合理的配慮が個々人にどのように認識されているのか,については十分に明らかにされていない。このことから本研究では,合理的配慮の必要性という観点から心理尺度を構成し,その因子構造および内的一貫性について検討することを目的とした。大学生581名(男276名,女304名,不明1名)を対象に合理的配慮の必要性認知尺度24項目を実施した。探索的因子分析(主因子法・プロマックス回転)を行った結果,4因子構造であることが明らかとなった。第1因子は教育場面における合理的配慮,第2因子は一般場面における差別的対応,第3因子は一般場面における合理的配慮,第4因子は就業場面における合理的配慮と解釈・命名された。下位尺度を構成し内的一貫性 α 係数を算出した結果,教育場面における合理的配慮が.90,一般場面における差別的対応が.90,一般場面における合理的配慮が.85,就業場面における合理的配慮が.89であり十分な内的一貫性を有していることが確認された。

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