主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
聴取自体を目的とせず流される音楽であるBGMの効果については肯定的な報告と否定的な報告があり,十分に検証されていない。また,BGMには聴取者自らが流す場合と他者が流す場合とがある。その違いはBGMに対する態度やBGMの効果に関わる重要な要因であるが,これまであまり取り上げられていない。本研究では,BGMの効果に関する研究の一環として,他者が選定するBGMと自ら流すBGMに対する各態度間および音に対する敏感性との関係について質問紙調査を行った。98名の回答に対して因子分析を行った結果,「他者選定BGMへの否定的態度」「認知的課題遂行時のBGM利用」「気分に合わせた音楽聴取」「職場BGMへの肯定的態度」の4因子が抽出された。これら4因子と聴覚過敏性との相関を調べた結果,①聴覚が過敏である者ほど他者選定BGMに対して否定的であること,②気分に合わせた音楽聴取をする者ほど認知的課題遂行時にBGMを用い,職場でのBGMに好意的であること,③認知的課題遂行時のBGM聴取は聴覚過敏性が中位の者で最も少ないことが示された。