主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
新型コロナウイルス感染症のパンデミックは,内受容感覚の鋭敏さに影響を与えることが報告されている。本研究では,内受容感覚の鋭敏さの適応的,不適応的な側面に着目し,各側面が精神的健康にどのように影響しているかについて検討した。内受容感覚の鋭敏さはMultidimensional Assessment of Interoceptive Awareness(MAIA)で測定し,最初に緊急事態宣言が発令された7都府県に在住の10,672名のデータを使用した。分析の結果,「気づき」は心理的,身体的症状に有意に影響することが示された(all ps<0.001)。一方で,「気が散らない」,「心配しない」,「自己制御」,「信頼する」はそれらの症状の軽減に有意に寄与することが示された(all ps<0.05)。本研究の結果より,内受容感覚の鋭敏さの各側面は精神的健康に異なる影響を与えていることが明らかとなった。また,マインドフルネスに基づく介入は内受容感覚の鋭敏さの適応的な側面を向上させることが報告されており,外出自粛期間中であっても精神的健康を保つための介入として効果的であることが示唆された。