日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PD-060
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4.臨床・障害
大学生のASD傾向における内受容感覚の検討アレキシサイミアとアレキシソミアに着目して
*吉田 一生市川 優一郎
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抄録

近年,自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder;以下,ASD)における,特異な内受容感覚に関する研究が進んでいる。中でもアレキシサイミア(Alexithymia)がASDの内受容感覚に関連するとする報告が多くされている。しかし,アレキシサイミアと概念的なつながりの深いアレキシソミアを含めて,ASDの内受容感覚との関連を検討した研究はほとんどない。そこで本研究では,ASDがアレキシサイミアとアレキシソミアを媒介して内受容感覚に影響するという仮説について検討した。大学生310名を対象に,質問紙による調査研究を実施した。構造方程式モデリングの結果,ASDがアレキシサイミアとアレキシソミアを媒介して「気が散らない」,「注意制御」,「身体を聴く」,の内受容感覚に関する3つの側面に負の影響を与えることが明らかになった。したがって,ASDにおける内受容感覚を検討する際は,アレキシサイミアとアレキシソミアの両者を含めた上での検証が必要である可能性が示唆された。

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