主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
女性の抑うつ傾向については,先行研究で女性の抑うつが高いという研究結果が多い(川本,1999)(原谷,2015)。また,中年期女性の抑うつには夫婦関係が影響し(伊藤,2014),身体的愁訴が多い(勅使川原,2019)という見解がある。そこで,本研究では中年期女性の抑うつ傾向に与える要因を探るため,対人不安傾向という要因を加え,心気症傾向,夫婦関係との因果関係を包括的に検討した。また,新型コロナウィルスへの感染不安も検討した。調査対象は中年期女性81名である。使用尺度は,抑うつ傾向は「老年期うつ病尺度」を中年期用に改訂し使用した。対人不安傾向は「状況別対人不安尺度」(毛利,2001)の「発表・発言不安」「親しくはない相手不安」因子を,心気症傾向は「Short Health Anxiety Inventory日本版」(山内,2009)を,夫婦関係は「夫婦間コミュニケーション態度」(平山,2001)の「威圧」「無視・回避」因子を使用した。共分散構造分析の結果,抑うつ傾向には対人不安が心気症傾向を介して影響を与えていることが明らかになった。