日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PD-063
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4.臨床・障害
大学生におけるレジリエンスと外傷性ストレス反応の関連の検討
*早川 実桜伊藤 大輔石橋 正浩
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抄録

本研究の目的は,大学生におけるレジリエンスと外傷性ストレス反応(以下,PTSR)の関連について検討することであった。大学生181名を対象に,外傷体験の有無,外傷体験の種類,PTSR(IES-R),レジリエンス(CD-RISC)を尋ねる質問紙調査を実施した。心的外傷体験者98名について,CD-RISC得点の平均を基準に2群に分類し,群を独立変数,IES-Rを従属変数としたt検定を行った。その結果,レジリエンス低群は,レジリエンス高群と比較して,IES-R合計得点,回避・麻痺症状,過覚醒症状の得点が有意に高かった。次に,対象者181名について,IES-Rのカットオフポイントを基準にトラウマ非体験者,PTSR軽症者,PTSR重症者の3群に分類し,群を独立変数,CD-RISCを従属変数とした1要因分散分析を行った。その結果,「PTSR軽症者>トラウマ非体験者>PTSR重症者」の順に,CD-RISC得点がそれぞれ有意に高かった。このことから,レジリエンスはPTSRを低減させ,比較的軽度なPTSRはレジリエンスを高める可能性が示唆された。

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