主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
背景]筋疾患はその多くが希少難病であり,しばしば進行性の予後をたどる。筋疾患の子どもでは,コミュニケーションや対人関係形成上の困難を抱えることがあり,教育支援を行う教員も,しばしば困難を抱えることがある。本研究では,特別支援学校の教員が筋疾患の子どもを支援するにあたって経験する困難に焦点を当て,教員の認識を質的に検討する。[方法]特別支援学校に対して協力を依頼し,在籍している教員の中で筋疾患の子どもの教育支援を担当した経験のある教員を対象とした。質的に検討するため,半構造化面接によるインタビュー調査を実施した。分析にはテーマ分析を用いて質的分析を行った。[結果]研究参加者は6名の特別支援学校教員であった。教員のもつ子どものへの見方と教育支援における困難として,「対人関係上の特性」,「病気自体とその影響」「理解,捉え方の不一致」「将来に関する考え」という4つがみられた。[考察]本研究では筋疾患の子どもの教育支援の経験がある支援学校教員を対象として調査を行い,筋疾患の進行性や,疾患にしばしば伴う対人関係上の困難や経験の不足に関わる教員の認識について検討された。