主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
大学生が他者に対して相談する際に,大学のカウンセリングルームといった専門的な相談機関への来談は以前に比べて身近なものとなりつつある。一方で,相談の内容や目的に応じて様々な手段を選択することも可能となってきた。大学生がどのように相談行動を講じているか明らかにすることは,大学生活におけるメンタルヘルスの維持増進の支援に際して有用であると考えられる。そこで本研究では,大学生が日常場面において実施している相談行動の構造を明らかにすることを目的とした。調査対象者は72名の大学生(平均年齢=21.01歳,SD=0.84)であった。調査対象者には,日常生活において誰かに話を聞いてもらいたいと思った時のことについて,思い浮かぶことを自由記述によって報告するように求めた。得られた質的データから,心理学を専門領域とする大学教員2名により,相談行動の構造に関連するワードを選別した。得られた45項目に対しKJ法を用いてグループ化した結果,相談行動の構造が1.相談相手の選択(誰に),2.相談内容(何を),3.相談目的(何のために),4.相談手段(どのように),の4種類のカテゴリーに分類された。