日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PD-072
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4.臨床・障害
大学生の相談行動に関する研究(2)抑うつへの反応スタイルとの関連
*野口 理英子政本 香
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抄録

反応スタイル理論に関する研究において,ルミネーション(自身の抑うつ状態やその原因・結末に対して繰り返される行動・思考)が抑うつ症状の重症化や長期化の要因であることが示されている。一方,ディストラクション(自分の気持ちから注意を逸らすための意図的な行動・思考)は抑うつ症状の軽減に効果があると考えられている。本研究では,ルミネーションをレフレクション(なぜ自身が憂うつに感じるのかについて理解しようとする)とブルーディング(自身の抑うつ感情について憂うつに考える)とに分類し,大学生の相談行動との関連について検討した。89名の大学生に対し,反応スタイルに関する質問紙(レフレクション,ブルーディング,ディストラクション),相談行動に関する質問紙(政本・野口,2021)を配布し,回答を得た。その結果,(1)レフレクションとブルーディングの得点が高いほど,専門の相談窓口(大学の事務局,保健室,カウンセリング)を利用する頻度が高く,(2)ディストラクションの得点が高いほど,LINEを利用する頻度が高いことが示された。

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