日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PD-082
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4.臨床・障害
タッピングタッチの気分改善効果ピアカウンセリングとの比較
*大浦 真一
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抄録

タッピングタッチ(以下TT)は,左右交互にタッチすることを基本とした相互ケアの技法であり,心理的・身体(生理)的および対人関係の側面に効果を示す。TTの効果については,これまで他技法と比較がされていなかったことから,本研究では,TTの気分改善効果をピアカウンセリング(以下Peer)を実施した場合と比較した。実験は,心理支援に関する講義の中で2週に渡って実施された。大学生12名が同性でペアを組み,1週目にTT条件を,2週目にPeer条件を20分ずつ実施した。各条件の介入前後には,日本語版PANAS(佐藤・安田,2001)への回答を求め,肯定的気分と否定的気分の得点を得た。条件(TT・Peer)と時期(前・後)を独立変数,PANASの下位尺度得点を従属変数とした分散分析を実施した結果,肯定的気分(F(1, 11)=5.23, p <.05, η2p =.322)と否定的気分(F(1, 11)=20.69, p <.001, η2p=.653)について,時期の主効果が有意であり,両条件において介入後に気分の改善が見られた。本研究の結果,TTはPeerと同等の気分改善効果を示す可能性が示唆された。

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