日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PD-108
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4.臨床・障害
思考コントロール方略と「意思とは無関係な侵入思考」との相関
*義田 俊之
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抄録

思考コントロール方略は,制御困難な侵入思考により発動され,それに影響を与える(義田,2020)。本研究では,不安・抑うつと関連し,思考の制御困難状態の測度である,WBSIの「意思とは無関係な侵入思考」と思考コントロール方略の相関を検討した。A大学で講義時間内に調査の目的,プライバシー保護,協力は任意であることを説明し,同意した大学生125名(男性25名,女性98名,未記入2名;平均18.21歳(SD=0.7))から,思考コントロール方略の測度TCQ-J(義田・中村,2014)(28項目,4件法)と,White Bear Suppression Inventory日本語訳版(Clark, 2005 丹野監訳 2006)(15項目,5件法)に回答を得た。再評価,罰および心配方略が,WBSIの「意思とは無関係な侵入思考」と有意な正の相関を示した。罰,心配と「意思とは無関係な侵入思考」の関連は先行研究と一致していた。制御困難な侵入思考が多いために,思考の見直しや対処としてこれらの方略を使用するのか,これらの方略のために侵入思考が制御困難になるのかを今後検証する必要がある。

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