日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PD-128
会議情報

4.臨床・障害
歯科恐怖と歯科治療経験の関係についての予備的検討Dental Fear Surveyを用いた調査
*黒田 美保由井 愛
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目 的】歯科治療への恐怖の要因として,治療の体験,周囲の態度,性格などの要因があげられる。本研究では,Dental Fear Survey(以下DFS)日本版を用いて,歯科治療での体験と歯科恐怖との関係を調査する。【方 法】対象者は大学生53名。調査はGoogleフォームで行った。DFSは歯科治療に対する20の設問に5段階評価し,合計点のDFS値により歯科恐怖・不安の程度を判断する。60点以上で強い恐怖が示唆される。歯科からの回避,生理的反応,刺激に対する恐怖の3要素から構成され,恐怖については ① 治療前の不安 ② 治療への不安に分けられる。同時に歯科治療での恐怖体験の有無を尋ねた。【結 果】DFS値の平均は45.98±9.82点。歯科治療における恐怖体験の有無で2群に分け(有群:18人,無群:35人)比較したところ,平均は有群:62.94±19.15点,無群:37.26±13.49点で有意差がみられた。特に,有群では治療前の不安が顕著であった。【考 察】過去に歯科治療に恐怖の体験があると治療への高い不安が生じ,大学生になっても持続することが示唆された。

著者関連情報
© 2021 公益社団法人 日本心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top