主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
本研究は,性犯罪の発生地の環境が,犯人個人内で一貫するか否か検討することを目的とした。犯人に関するデータとして,2009年から2017年の間に東京23区内で面識のない被害者に対して2件以上の屋外性犯罪(強制性交または強制わいせつ)を敢行した75人の事件情報を,また,発生地点の環境に関するデータとして,発生地点から直線距離で200 m圏内の5種類の目標物(駅,バス停,公園,コンビニ,主要道(一般国道または主要な都道))の該当・非該当の情報を用いた。分析では,犯人ごとに発生日時が最も早い事件と最も遅い事件の発生地点情報を抽出し,発生地点から200 m圏内の目標物の該当・非該当を犯人ごとに最初の事件と最後の事件で比較した。分析の結果,該当・非該当が一貫した犯人の割合は,駅では77.3 %(非該当から非該当50人,該当から該当8人),バス停では66.7 %(18人,32人),公園では66.7 %(22人,28人),コンビニでは61.3 %(12人,34人),主要道では62.7 %(28人,19人)であった。なお,発生地点間距離の中央値は650 mであった。