日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PI-006
会議情報

9.認知
かわいい顔は接近行動を喚起するのか:顔画像観察時の重心動揺を指標とした検討
*藏口 佳奈, 藤本 花音, 谷口 康祐
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

かわいさはベビースキーマに基づく幼児の魅力として扱われることが多く,かわいさ知覚に伴う接近動機に関しても養育行動に資する心理的反応として検証されてきた。しかしながら,無意識的な接近行動そのものを実証した研究はなく,かわいい対象への物理的かつ不随意な接近反応として前傾姿勢が生じているかを検証する必要がある。一方で,接近動機が養育行動に資する心理的反応であるならば,成人顔に対するかわいさ知覚時に接近反応が生じる必然性はない。そこで本研究では,成人女性顔および赤ちゃん顔を観察している際の重心動揺とかわいさ評価の相関関係を調べることで,実際に接近行動が生じているかを検証した。その結果,かわいさの評価と重心動揺の関係は女性参加者にのみ認められ,男性参加者では重心動揺の変化は見られなかった。かわいさ評価と重心動揺の変化に関連が認められた女性参加者においても,かわいいと感じる対象によって結果が異なった。赤ちゃん顔では,かわいさの程度にかかわらず接近反応が生じたが,成人女性顔では,かわいさが増すほど回避反応が生じた。これは,乳幼児と成人でかわいさ評価の質が異なることを示唆する。

著者関連情報
© 2021 公益社団法人 日本心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top