主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
本研究では,画像に対する快不快感情に着目し,画像の感情を判断する深層学習のモデルが学習した概念と,画像に対する人の視線データを比較することで,感情の知覚方略における深層学習と人の相違性と類似性を検討することを目的とした。情動画像として,International Affective Picture System(IAPS)データセットとそれに付与された感情度(快—不快)を用いた。まず,画像の快不快を分類する深層学習モデル(平均分類精度76.9 %)を構築し,深層学習が学習した概念を可視化する手法を利用して,アテンションマップを得た。さらに,IAPS画像に対する自由注視実験を参加者5名に対して行い,視線データから注視ヒートマップを得た。深層学習の判断に寄与する画像中の箇所を可視化したアテンションマップと,注視ヒートマップを相関係数によって比較したところ,深層学習の学習概念と人の注視位置には類似性が見られた。一方で,特に不快画像や風景画像については,深層学習と人の判断方略の相違性を示した。