主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
妻藤(2020)は学習経験ありスキル13項目の上手さ評定と,評定の確信度,既自覚有無を検討。各項目の評定平均と確信度平均の明確な関係はないが,両者の質問項目内相関は,各項目の評定平均と明確な直線関係。既自覚率との交互作用も有意で,既自覚有無による評定処理(評定情報)の相違を示唆した。以下は,自覚(評定)時に整数的などの“表現”を作り出す処理だとする仮説と,尺度評定が量的潜在変数の低い尺度水準表現だとする仮説(Lidell & Kruschke,2018,のOderedProbitModel:OP)を比較するため,妻藤(2020)のデータからOPの平均推定値(Mu)とポリコック(PC)項目内相関を求めて分析した。評定値Muと確信度Muの関係は明確でないが,項目内PCは評定Muの一次関数(既自覚率も含めた回帰でR2=.93)。既自覚率とMuの交互作用は,既自覚率1.0での単純傾斜が.49(2020は.66),0.0では殆ど0で類似。しかしこの交互作用のp値は.146(2020は.043)。このモデルのR2 は.95(2020は.96)。評定過程に関する2仮説の検討を続ける必要があると思われる。