日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PI-074
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9.認知
オンライン実験環境下における行為主体感の形成時間窓および主観的同時性との関係
*郷原 皓彦北川 智利
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抄録

自らの行為により刺激の出現(結果)などの事象を制御していると感じる感覚は行為主体感と呼ばれる。一般に,行為と刺激との時間間隔が大きくなるにつれ行為主体感は低下する。一方,行為に先行して刺激が出現する場合,僅かな時間間隔であっても行為主体感は急激に低下する(Rohde et al., 2014)。また刺激が後続呈示された場合でのみ,同時性判断の時間窓に比べ行為主体感評価の時間窓がより広いと報告されている。本研究ではオンライン実験環境下においてもRohde et al.の結果を再現できるかを検討した。また行為主体感評価と同時性判断の双方を同一試行内にて行うことで,両者の直接的な関係性についても調べた。実験では参加者が特定のタイミングでキーを押し,その前後のさまざまなタイミングにて円が出現した。そして参加者は行為主体感評価と同時性判断の2点について回答した。実験の結果はRohde et al.の知見を支持しており,オンライン実験環境下にて行為主体感形成における行為—結果間の時間差の効果が頑健であることが示唆された。また,行為と刺激とを同時と回答した試行では行為主体感が高く評価されることも示された。

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