主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
人間の眼は,横長に切れて白目の部分が露出しているという特徴があり,他の霊長類と比較すると大きな相違がある。これは相対する個人同士が互いにどこを見ているのかを認知するためであると言われている。同時に人間の眼は頭部の回転軸とは独立して可動することを意味している。たとえば,頭部が右方向に回転したときに目は左方向に動かせる。一般に「横目で見る」という表現がこれに当たるだろう。本研究はコンピューターを使ってこの「横目で見る」画像を作成し,印象評定をした。実験参加者に対して,頭部も眼も真正面を向いている(正立条件),頭部は右方向眼は左方向を見ている(右左条件),胴体は正対した状態で頭部は左方向眼は右方向を見ている(左右条件)という3条件に対して,意味微分法により印象の差異を検討した。使用した形容詞は「重い」「良い」「速い」「明るい」「美しい」「思慮深い」「誠実な」「正しい」「機嫌のよい」などであった。また,提示時間を1秒間,5秒間,10秒間の3条件として設定した。両群において有意差があったのは「良い」「明るい」「機嫌のよい」であった。