日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PM-019
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13.情動・動機づけ
親子遊び場面における養育者に対する子どもへの関わりスキルのライブコーチングが育児不安,育児満足及び育児自己効力に及ぼす影響
*門田 昌子岡野 維新寺嵜 正治武井 祐子池内 由子
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抄録

本研究では,1回のライブコーチング(以下,LC)が養育者の育児不安,育児満足,育児自己効力に及ぼす影響を検討した。LCとは,親子が実際に遊ぶ場面で,専門家が養育者に対して子どもとの関わり方をリアルタイムで伝える方法である。本研究の参加者は,親子3組(2:10歳の男児と44歳母親,3:0歳の女児と39歳父親,7:10歳の女児と41歳母親)であった。養育者には事前に,育児不安,育児満足,育児自己効力を尋ねる項目への回答を求めた。後日,養育者に対して,親子関係を良好にするとされるスキルを説明した後,30分間のLCを 1回実施した。また,1ヶ月間,学んだスキルを実践し,1ヶ月後の事後質問紙(育児不安,育児満足,育児自己効力を尋ねる項目)へ回答するよう依頼した。LC前後の育児不安,育児満足,育児自己効力の得点を比較した結果,育児満足については,全ての養育者においてLC前よりLC後に得点が高まっていた。その他の変数については,全ての養育者に共通した変化はなかった。1回のLCでも育児の肯定的な側面に対する養育者の評価に影響を与える可能性が示唆されたが,今後,分析データを増やして確証を得る必要がある。

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