日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PM-026
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13.情動・動機づけ
日本語版Body Perception Questionnaire-Body Awareness(BPQ-BA)超短縮版の信頼性,妥当性の検討
*小林 亮太本多 樹町澤 まろ市川 奈穂中尾 敬
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抄録

心臓の鼓動や胃の痛みなどの身体内部の感覚を内受容感覚といい,その内受容感覚の気づきには個人差がある。本研究では,内受容感覚の気づきの個人差を測定する代表的な尺度であるBody Perception QuestionnaireのBody Awareness(BPQ-BA)超短縮版の日本語版を作成し,因子構造や信頼性,妥当性について検証することを目的とした。一般成人358名,大学生296名を対象に翻訳した日本語版BPQ-BA超短縮版や,妥当性検討用尺度への回答を求めた。解析の結果,日本語版BPQ-BA超短縮版については原版同様の1因子12項目構造であり,十分な信頼性(ω=.88)が確認された。そして,BPQ-BAと身体的ストレス(r=.38-42)や内受容感覚の気づきを測定する別の尺度であるMAIAの気づき下位尺度(r=.40)の間に正の関連が示され,妥当性が確認された。重要な点として,特性不安とBPQ-BAは相関を示したものの(r=.25-.28),MAIA気づき尺度は無相関であった(r=.07)。こうした結果から,日本語版BPQ-BA超短縮版が弁別的妥当性を有しているとも考えられる。

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