日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PO-088
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15.発達
就学前の幼児の「心」の理解見えること/見えないこと
*小沢 日美子
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キーワード: 就学前児, 信念, 心の理論
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抄録

他の人が自分とは異なる信念を持っていること,現実とは異なる信念を持っていることを理解することは社会的相互作用にとって重要である。これまでの研究では,定型発達児は4歳頃から徐々に心の理論を形成していくことが示唆されているが,他者の心の理解の発達に対しては別の説明の検討もなされている。本研究では,幼児年長児20名(m=6歳4ヶ月)に,誤った信念,隠された信念,他視点取得の課題(Wimmer, & Perner, 1983;Happé, F.G., 1994;Hughes, M., & Donaldson, M., 1979修正)と,抑制制御(Simpson, & Riggs, 2005修正),認知的柔軟性(DCCS),ワーキングメモリ(以下,WM)(小川・子安,2010),語彙(PVT-R,2008),移動運動の課題を実施した。他者意図理解得点と嘘の意図(理由質問)は,語彙(H/L群)で有意傾向(F=4.88,p<0.1;F=3.86,p<0.1),また,他者信念理解得点はWM得点の影響,語彙(H群)で認知的柔軟性得点の影響を受けることが示唆された。

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