主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
本研究は,心身の健康にポジティブな影響があるアニマル・セラピーについて,実際に動物とのふれあう条件を設定し,自律神経系反応へのリラクセーション効果を実験的に検討した。犬愛着尺度が高得点の文教大学生28名を対象とし,犬とのふれあう犬条件14名と犬介在がない統制条件14名にランダムに割り当てた。生理指標として心拍数,低周波成分(LF成分),高周波成分(LF成分),パワー比であるLF/HF成分,収縮期血圧,拡張期血圧,心理指標として日本語版PANASをそれぞれ測定した。犬条件では,犬とのふれあいによって,LF成分およびLF/HF成分,が実験期で有意に上昇を示し,その後の回復期で有意な低下を示した。また,PANASのポジティブ感情尺度では実験期に上昇した。すなわち,生理指標では,実験期に交感神経が活性化し,そこから回復期にかけて低下することでリラクセーション効果が生じ,心理指標では,犬介在がポジティブ感情を有意にすることが認められた。犬条件において,犬介在によるリラクセーション効果・ポジティブ効果が認められた。