日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: SS-019
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公募シンポジウム
援助要請研究に基づくコミュニティ・アプローチの可能性メンタルヘルスリテラシー,スティグマ,オンラインの援助資源と援助要請
本田 真大中村 菜々子永井 智木村 真人飯田 敏晴水野 治久
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抄録

人に助けを求めたり相談したりする心理を扱う援助要請研究では,近年,介入研究が増加し,「援助要請に焦点を当てたカウンセリング」(本田・水野,2017)と呼ばれている。特に多いのは過少性(ニーズがあっても援助を求めない)の改善をめざしたメンタルヘルスリテラシーとスティグマへの介入である。また昨今の新型コロナウイルス感染症の影響により,ニーズが一層高まっていると思われるオンラインの援助資源に対する援助要請の心理を解明することも重要な課題である。さらに,援助要請への介入において個人の内的要因を過大視することで,援助要請を自己責任にする危険性が指摘されている(橋本,2020)。つまり,個人への介入のみにとどまらない,コミュニティへの介入の在り方を模索する必要性に迫られている。そこで本シンポジウムでは,援助要請への介入研究の現状と課題を展望し,メンタルヘルスリテラシー,スティグマ,オンラインの援助資源と援助要請に関する研究を発表する。それらの話題提供を実践につなげる視点として,コミュニティ心理学の立場から指定討論を行い,介入対象者の自己責任に帰さない援助要請への介入の方途を探究する。

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© 2021 公益社団法人 日本心理学会
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