日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第86回大会
セッションID: SS-012
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公募シンポジウム
「難しさ」を楽しく語ろう 心理学研究の課題と限界
渡邊 ひとみ河越 隼人稲垣 勉水野 邦夫
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抄録

様々な工夫をこらしながら研究計画を立案する作業は心理学研究の魅力のひとつである。しかし同時に,思い描いていた通りに研究を遂行できない,あるいは得られた結果の一般化に限界を感じることも多い。そこで本シンポジウムでは,研究をする中で直面する課題や限界点を共有し,妥当なサンプル対象/数の確保の問題,研究知見の一般化の限界,各種研究法の長短,コロナ禍で課される制約等々について広く議論する。

話題提供では,まず心理カウンセリングに関する研究を取り上げ,実験場面における参加者のロールプレイ反応のぎこちなさや,要因が複雑化する臨床実践場面への知見応用の難しさについて紹介する。続いて,潜在連合テストなどの潜在的測度に関する研究を紹介し,コロナ禍でのウェブ調査の利点と制約(従来のように行動指標を測定できない等々)について紹介する。最後に,過去の出来事やその経験への意味づけに関する研究を取り上げ,それぞれに異なる個々人の経験をカテゴリ化あるいは数値化して量的に分析することの難しさや問題点について紹介する。多様な視点からの議論が今後の研究の方向性の提示やヒントにつながることを期待したい。

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© 2022 公益社団法人 日本心理学会
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