日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第86回大会
セッションID: SS-033
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公募シンポジウム
死生観をめぐる葛藤とソリューション 心理臨床家による支援に着目して
奥野 雅子二本松 直人小岩 広平伊藤 拓
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抄録

死生観とは,生死に対する考え方や態度を指す。死生観は年代や性別,個人の経験によって異なり,死に向かう対象と自分との関係によっても変化する。つまり,自分の死(一人称の死),大切な人の死(二人称の死),他人の死(三人称の死)のいずれかによって死の意味が左右される。死に向かう当事者は一人称の死,その家族は二人称の死として死に向き合い,生きる意味や目的に関して苦悩している。それらの葛藤へのソリューション,たとえば,新たな生きる意味や目的,生きる態度を模索するためには当事者は自らの死について語る必要がある。しかし,死について公に語ることを一般的には好ましく受け止められず,さらに,当事者は自分の家族に死生観を語れないことが報告されている。そこで,当事者や家族への心理臨床家による支援が必要になる。本シンポジウムでは,心理臨床場面での当事者と家族の死生観をめぐる葛藤に着目する。当事者とその家族,そして心理臨床家が有する死生観がどのように相互影響を与え得るのか,さらに,心理臨床場面において死をめぐる苦悩に対するソリューションに至るために,心理臨床家の支援のあり方について考察を深めることを目的とする。

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© 2022 公益社団法人 日本心理学会
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