日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第87回大会
セッションID: L-015
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小講演
浅い人間関係で用いられるスキルに関する臨床心理学的研究
田中 圭沢宮 容子
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抄録

私たちの日々の生活は,深くは知らない職場の同僚,習い事で会うクラスメイト,帰宅時に立ち寄るコンビニの顔見知りの店員など,“その場限りの付き合いや雑談を交わす程度の付き合い”である浅い人間関係で溢れている。浅い人間関係は,インターネットやSNSの普及によって再注目されている「弱い紐帯の強さ」(Granovetter, 1973)など,親密な人間関係とは異なる有益性があり,近年そのポジティブな側面が強調されつつある。しかし,浅い人間関係を円滑に運営するための技術についてはまだ明らかにされていないという問題がある。講演者は,浅い人間関係の有益性を享受するためにどのようにして積極的に関係を維持するかという課題についてソーシャルスキルの観点から検討を行ってきた。具体的には,ソーシャルスキル生起過程モデル(相川,2009)に基づき,浅い人間関係で用いられるスキル尺度を開発した。そして,ソーシャルスキルに関する精神的健康への影響過程を説明した既存のモデルにどのように影響を及ぼすか検証した。講演では,一連の研究成果を報告する。

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