アンデス・アマゾン学会研究発表要旨集
Online ISSN : 2759-9124
第12号(2023)
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アマゾン下流都市近郊の小農集落に導入されたプロジェクトについて
*石丸 香苗
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 13-14

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抄録
1. はじめに
 ブラジルは国土の約3割237万㎢が農地として利用され[The World Bank 2020]、数にして9.1%にしか満たない1000ha以上の巨大農家が耕作可能地の約半分を占有する一方、数にして47.9%を占める10ha以下の小農の土地は2.3%を占めるに過ぎず、さらに近年は外国人による農地取得が進んでいる[佐野2013ː54]。大規模農家による生産の多くが輸出用のコモディティとして外貨を稼ぐ一方、国内の食糧安全保障は低く全世帯の約28%が食糧不足にあり、国民の4.1%が栄養失調にある[PENSSAN 2022]。小規模農家による生産の大部分が地域限定的な流通を通してローカルで消費されており、国内の食糧安全保障に果たす役割が大きい。
  小農の多くの世帯が、安定的な販売先の開拓や技術指導、設備投資に必要な金銭的支援を必要としており、これらの支援はブラジル国内の食糧安全保障に繋がる。農村部の小農たちに対してどのような主体がどのような支援活動を行っているのかを調べるため、アマゾン河口部のパラ州にある小農集落において活用されている農業や生活支援に関するプロジェクトを調べた。
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© 2023 本論文著者

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