産業連関
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政策評価と統計活用
税制改革の経済効果
佐々木 覚亮
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2003 年 11 巻 3 号 p. 4-17

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抄録
地方自治体は,住民を納得させるために,政策評価を行う必要があります.その政策評価が科学的で説得的であるためには,利用可能な統計と整合するように政策効果を測定するモデルを作成しなければなりません.本稿では自治体が作成している基本的な統計である県民所得統計と,地域の産業構造に関する詳細な情報を提供してくれる地域内産業連関表を使って,税制改革の経済効果を測定する方法を紹介します.使用するモデルは産業連関モデルと応用一般均衡モデルです.産業連関モデルを使うと税制変更にともなう価格の変化を計測することができます.一般均衡モデルを使うと,税制変更にともなう価格や生産量の変化のみならず,住民の効用(満足度)の変化を測ることができます.ここでは,2つの課税方式を比較し,地域経済に及ぼす影響が小さく,住民にとって受け入れやすい税制改革を明らかにします.また,価格変化の小さい課税方式は,地域住民の効用水準の減少が小さい課税方式であることも明らかにします.
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© 2003 環太平洋産業連関分析学会
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