抄録
エネルギーの海外依存度の高い韓国では以前からエネルギー効率の向上を重要な課題として扱ってきたにも関わらず,エネルギー危機事態が発生する度に国内からエネルギー効率が悪いという評価が出てくる.このことから本研究は韓国のエネルギー分析用産業連関表90-95-2000を作成して総量基準および産業別基準のエネルギー消費熱量,エネルギー源構成,エネルギーの所得弾力性,エネルギー原単位などを導き,これらを用いて韓国のエネルギー効率の変化を横断面そして時系列で分析した.総量基準の分析結果によればエネルギー効率は向上し,産出額基準の産業別のエネルギー原単位の分析結果によればエネルギー効率の改善の産業の数がエネルギー効率の低下の産業の数より多い.これらの結果からエネルギー効率の向上のための産業部門の努力や政府の支援策がよい成果を導いたと評価できる.