国民経済計算は所得支出勘定や資本調達勘定など一連の勘定から成り立っており,それぞれの勘定は複式簿記の記帳方法にしたがって記録されている.本稿ではまず,国民経済計算の背後にある勘定間の関係について,企業会計を基にミクロ的な視点に立脚して整理する.さらに企業会計と国民経済計算とを接続する際に横たわる論点を浮き彫りにする目的から,各国の会計報告書を統一様式に変換しようというBACH データベースの試み,フランス会計基準の影響を受けかつてOCAM 諸国で採用されていた企業会計基準であるPlan OCAM について紹介する.