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Online ISSN : 2436-5858
生成AIの開発・学習段階における著作物利用行為
柿沼 太一
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2025 年 78 巻 31 号 p. 119-146

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抄録

本稿は、AIと著作権法に関する全体像について簡単に分析した後、生成AIの開発・学習段階における著作物利用行為に焦点をあて、「学習目的による制限」と「学習対象による制限」という視点から分析したものである。「学習目的による制限」については、学習対象著作物の「表現出力目的」と「作風模倣目的」がある場合について検討し、「学習対象による制限」については、問題となることが多い「情報解析に活用できる形で整理したデータベースの著作物」「海賊版等の権利侵害複製物」「学習禁止意思が付されている著作物」「学習を防止するための機械可読方法による技術的な措置が付されている著作物」「情報解析用DB著作物以外の著作物・非著作物のうちライセンス市場が形成されているもの」について検討した。さらに、AIの開発・学習段階における著作権法第30条の4に関する検討結果が、AIの生成・利用段階においても基本的に当てはまることを示しつつ、法第30条の4と同じく「情報解析」に関する規定である法第47条の5と法第30条の4の役割分担についても検討した。

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