抄録
本研究では、部分置換したLaMO3系ペロブスカイト(M=Cr, Mn, Ga)の熱膨張機構を測定し、以下のような考察結果を得た。Bサイト置換元素のイオン半径とTECの間に相関関係はないことが判った。TECに影響を及ぼす要因は、(1)Aサイトイオンと酸素イオン間のイオン結合性の変化、(2)Bサイト元素の平均イオン半径の変化および(3)空孔の形成·消滅であることが考えられる。アルカリ土類金属のような低いイオン価数の元素をAサイトに置換することにより、ペロブスカイト中のイオン結合性は増加し、TECは増加する。測定中のスピン状態の変化、不均化反応による価数の変化および還元反応による価数変化により、Bサイト元素のイオン半径は増加し、TECは増加する。低いイオン価数元素の置換やBサイトイオンの還元により空孔は生成し、TECは増加する。