抄録
生体活性材料であるディオプサイド(CaMgSi206)をアルコキシド法で調製した場合、比較的低温で結晶化する。しかし、各金属アルコキシドの加水分解速度が異なるため系の均一性が低い。この問題の改善には金属アルコキシドと無機塩の併用が有効である。本研究では、金属アルコキシドと無機塩を用いた種々の液相反応によりディオプサイドを調製し、熱的特性が結晶性プロセスに与える影響および生体活性について比較検討した。粉末X線回折を行ったところ、乾燥粉体は、いずれもアモルファスであり、アルコキシド法よりもさらに低温でディオプサイドに結晶化した。これは乾燥粉体から無機ガスの放出が結晶核形成を促進したためと考えられる。さらに、作製したディオプサイド焼結体は、疑似体液(SBF)中で表面にアパタイト層が形成され、浸漬期間の増加に伴いアパタイト層の成長が確認された。