抄録
本研究では、KOHまたはNaOHを用いたアルカリ融解法による二酸化ケイ素の回収プロセスを確立し、産業廃棄ガラスの新しい再利用方法として廃棄着色ビンにこのプロセスを応用し、その応用可能性を明らかにした。廃棄着色ビンとして緑、青、黒または茶色のビンを選択し、回収プロセスを適用した結果、これらのビンからは純度99.9%の二酸化ケイ素が回収できた。また、回収された二酸化ケイ素の収率は97-98%であった。これらの結果より、本研究で確立したプロセスは廃棄着色ビンの再利用方法として適用可能であることが明らかにできた。とくに、KOHを用いた場合では、NaOHのアルカリ融解に比べて溶融温度を下げる効果があり、今後、プロセスが適用された際、少ない熱エネルギーで産業廃棄ガラスから二酸化ケイ素を回収できることが期待できる。