抄録
蛙目粘土を水簸する際にキラと呼ばれる廃棄物が発生する。キラは石英と少量の粘土を含んでいる。本研究ではキラを用いて建材用の結晶化ガラスの作製を試みた。キラにCaCO3を混合し、得られた混合粉体を溶融急冷してガラスを作製した。作製したガラスを粉砕し、熱処理して結晶化ガラスを作製し、諸性質を調査した。ガラス中にβ-ウォラストナイトが短時間で析出し、アノーサイトは長時間の熱処理により析出した。また、ガラスの粒径を細かくすると、低温でもα-ウォラストナイトが析出しやすくなった。結晶化ガラス中でのβ-ウォラストナイトの生成率は約40-60mass%、アノーサイトは約2-8mass%であった。