抄録
ソノケミカル反応場、すなわち超音波振動を付与した液相合成の場では、化学反応、溶解·析出、核生成·成長、凝集·分散等の様々な物理化学現象が毎秒数万回の疎密変動によって刺激される。最も特徴的な超音波現象であるキャビテーション(空洞現象)は、均一溶液内に気液界面を生じさせることにより不均一核生成を促すと同時に気泡内に溶媒が蒸発するために気泡近傍での溶質濃度が上昇して過飽和度を高めるため、キャビテーションは核生成サイトを増大させるものと考えられる。斯様な観点から、ソノケミカル反応場にて析出した固体粒子の粒径について論じた。